両陛下、400年ぶりの火葬とその思い
内容は、葬法を火葬に転換すること、そして両陛下の墓所にあたる御陵の規模縮小についてです。
天皇家の葬法は代々「土葬」で執り行われていました。
しかし今回、両陛下は「土葬」での埋葬を改めて見直し、400年ぶりの「火葬」にすることを決めたようです。
この歴史的転換には、両陛下のある思いがございました。
江戸時代初期から昭和天皇の代までは、「火葬」ではなく、土に埋める「土葬」が続いていました。
現在の天皇陛下の代にいたるまで、数々の天皇陛下が亡くなられた際は、
「土葬」で埋葬されたあとに、葬儀・埋葬を公表されていました。
しかし、今の社会は「火葬」が一般化されていること・江戸時代以前からも「火葬」が行われていたという時代背景をふまえた上で、
国民生活への影響を少なくしたいというご意向の元、「火葬」であれば、
規模・形式などがより柔軟的に検討できるという結論にいたられたとの事です。
このような思いから、今回両陛下は「土葬」から400年ぶりの「火葬」にすると公表され、御陵も2割ほど縮小される事が決定となりました。
天皇陛下は当初、皇后陛下とご一緒に1つの陵へ合葬でお入りになるご意向であったとの事ですが、
皇后陛下がご遠慮をなされ、森林を切り開いたテニスコート16面分の敷地の中で、
寄り添い、不離一体の形となるよう隣同士に造られるとの事です。
2割ほど小さくしたのには理由があり、
「昭和天皇の御陵を平行に立てられなかったのは、土地が足りなかったのではないか」と感想を述べられ、
そこで、御陵を小さくすることで、これから何代かは御陵を建てられるようになるのではないかと考えられたそうです。
そして、「火葬」になると「土葬」との葬式も変化します。
昭和天皇の葬式の流れは「葬場殿の儀→大喪の礼→陵所の儀(土葬)」でした。
しかし今回は「火葬→葬場殿の儀→大喪の礼→陵所の儀」の流れになるようです。
この基本的な方針を基に今後、葬儀の詳細を決めていくと説明されていました。
御陵の形状は明治以降の陵にならい、上部が円く、下部が四角に土を盛った上円下方(じょうえんかほう)墳とするとの事です。
菊池 康之
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