直系先祖と傍系先祖
*ご先祖様には2つの流れがある
①直系先祖
みなさまは「ご先祖様」と聞いて、どのようなことを想像するでしょうか?
一般的には自分と同じ姓の流れにあるご先祖様が、真っ先に思いつくのではないでしょうか?
たとえば、私は苗字が中村というので、この場合は「中村」姓のご先祖様にあたります。
この自分の苗字の流れにあるご先祖様のことを"直系(ちょっけい)先祖"と呼びます。
②傍系先祖
一方で、いわゆる母方の家系のご先祖様のことを"傍系(ぼうけい)先祖"と呼びます。
たとえば、私の父の姓は当然「中村」ですが、母親の旧姓は「所(ところ)」といいました。
ここでいう「所家」は、私にとっての傍系となるのです。そのため、別名で"母系先祖"とも呼びます。
*"直系"と"傍系"先祖のどちらを供養する?
直系と傍系先祖の概要がわかったところで思うのが「どちらを供養すればよいのか」ということだと思います。
結論を申し上げると、どちらのご先祖様の供養をしてあげてください。
たとえばお盆やお彼岸などでも、特に「直系しか行ってはいけない」というようなルールはありません。
仮に先祖祭りの期間に直系先祖のお墓参りに行けなかったら、また別の日に会いに行ってあげてくださいね。
*「絶家は絶家を呼ぶ?」
絶家という言葉があります。
これは簡単に言うと、子供が生まれなくて(=継承者がなく)家系が途絶えてしまう家のことを言います。
末裔が男性であれば嫁になり、女性であれば婿養子がなくては、その家が続かなくなってしまいます。
仮に皆さんの「相手方」の家計が絶家になってしまうときは、必ず絶家供養をしてあげてください。
たとえば、一人娘が「相手方」に嫁入りしてしまうときは、その家系は絶家となってしまいます。
その逆に、末裔の一人息子が婿養子で「相手方」の家に嫁ぐことになったときも同様です。
いずれの場合でも、自分の家系を子孫まで続けることのできるのは間違いなく「相手方」の家計が続いてきてくれたおかげであることは間違いありません。感謝の意味も込めて、"傍系"が絶家になる場合にはその供養も皆さんが行ってあげるとよいでしょう。
絶家供養の方法については、いま持っている墓地の広さや菩提寺によって変わってきてしまいます。お世話になっているお寺さんがあれば相談するのが一番良いですし、贔屓にしている墓石店があれば聞いてみると良いでしょう。
中村 裕貴
「建てて良かった」と思える、感謝の気持ちで先祖供養ができる、そんなお墓づくりのお手伝いしたいと思います。