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霊園・墓地の掲載数:4857件/更新日:2024年04月16日

進化を続けるオンライン墓地の姿とは


インターネットが急速に普及、発展するようになってからだいぶ経ちましたね。 
そのおかげもあってか、若い人だけでなく、中高年までもがSNSなどに参加していることも少なくありません。 
そんなネットの普及に伴い、オンライン墓地なるものが登場したこともありました。 

オンライン墓地とは、登録された人の写真と銘が入ったお墓の画像が表示されるというシンプルなもの。当時はインターネットを利用した様々なサービスが生まれており、このオンライン墓地もその一つでした。亡くなった方へのメッセージを残すことも可能で、言い換えれば、故人のための掲示板のようなものでしょうか。 
なかなか面白い試みであると感じていた人もいらっしゃるかもしれませんね。 
実はこのオンライン墓地が進歩を続けているということをご存知でしょうか? 

SNSをよく利用するという人は多いかもしれません。 
一時期はブログがブームになったこともあり、中高年の間でもブログに興味を持った方が大勢おりました。 
中には一過性のもので終わらず、今でも日記として簡単な記録をつけるのが日課になっている方もいるでしょう。 
今、そういったネット上にある個人ブログなどが、オンライン墓地として再利用されているそうです。 

ブログは利用者が死亡するなどした場合、一定期間が経過すれば、そのまま自動的に削除されるのが普通です。 
加えて、SNSではIDとパスワードを教えない限り、本人以外がログインして書き込みや編集を行うことはできません。 
つまり、不幸な事故などで急に死んでしまったとしたら、誰もログインできないまま、いずれは削除されてしまうことになります。 

しかし、今やネット上にあるブログも一つの資産と言える存在になってきました。 
なかなか金銭的な価値には至りませんが、本人はもちろん、家族や友人にとっても、日記に書かれた一つ一つの事柄が大切な想い出になります。 
これに対しフェイスブック(Facebook)では、亡くなったユーザーの情報を残し、家族や友人がメッセージを書き込めるようになっています。これには特別な申請が必要ですが、自分が生きてきた足跡をネット上に残せるというのは今までになかったサービスです。 

その昔、人が記録を残す際は石板に文字を書きこんでいました。 
墓石や墓誌に掘り込む文字がそれにあたり、有名なものとしては、紀元前・古代エジプトのロゼッタストーンがあります。 
石板も永遠に残るというわけではありませんが、紙や木材のように焼失しにくく、かつ1000年以上もの保存に耐えられるというのが大きなメリットです。 

では、今回のオンライン墓地はどうでしょうか? 
ネット上にあるデータは、どこかのサーバーに保管されているものです。データは皆さんご存知の通り、消える時は一瞬で消えてしまう儚いものです。 
それと同時に、コピーすれば簡単に増やせるという特徴があります。 
定期的にバックアップを取り続けていれば、半永久的にデータを残すことも可能です。 
昔は石板や和紙などにしか残せなかった記録が、今ではネット上で気軽にデータを残すことが出来るようになりました。 
少し大げさですが、これは大変画期的なことだといえるでしょう。 

これを面白い形で利用しているケースがあります。 
ALS=筋萎縮性側索硬化症、という珍しい病気でお亡くなりになられた海外のコメディアン。カーラ・ジルベール・スミスさんは、死の一年ほど前に動画メッセージを残していました。これは比較的よく見かけるビデオメッセージですが、遺族の方がネット上にこの動画をアップロードしたようです。 
これにより、ネット上でいつでもスミスさんの姿を拝めるようになりました。 
スミスさんを知らなかった人たちも、この動画を見て新しいファンになったという話もあります。 

データとして残るだけというのは無機質で冷たい感じがするという人もいますが、それもデータの残し方次第なのかもしれませんね。 
より身近な例としては映画が挙げられるでしょう。 
若い世代では、三船敏郎氏や石原裕次郎氏を知らない人が大勢います。 
ところが、映画を通して彼らのような大スターの姿を見ることで、 
現在でも新しいファンが増え続けています。 

映画という特別な形でしか残せなかったものが、いまやネット上に誰でも公開することが出来ます。 
やはり、ネット上のこういった動画やブログ日記などを管理・保存してくれるサービスが増えているようで、 
オンライン墓地の進化した形態ということもできるでしょう。 
もしかしたら、あなたがネット上に公開した動画やポエムが、100年後の人々によって愛されているかもしれませんね。 

中村 裕貴

「建てて良かった」と思える、感謝の気持ちで先祖供養ができる、そんなお墓づくりのお手伝いしたいと思います。